ざまクリニック所沢

フレイル予防・対策及び情報

ざまクリニック所沢のブログから現在注目しているフレイルについて、対策・予防そして情報などを記事にしています。
そのフレイルに関するものを抜粋致しました。まとめ記事になりますがフレイルについての現状が記載されています。
2019/10/30
厚労省 「フレイル」健診 来年度から実施へ


昨日、受診されたフレイル の患者さま。
基礎疾患や「重要な事項」を無視して、運動‼️運動‼️と言う状況で、診察中も「疲れた、疲れた」を連呼されていました。
一から調べ直す旨、伝えましたが、まず、この方にしたことは『◯◯の中止』。
何事も公式通りにいくとラクなんでしょうが。

【NHKニュースより。】
”厚労省 介護一歩手前の「フレイル」健診 来年度から実施へ”
高齢者の健康寿命を延ばそうと、厚生労働省は介護を必要とする一歩手前の「フレイル」と呼ばれる状態になっているかどうかをチェックする健診を来年度から実施することになりました。
「フレイル」は、筋力などが衰えた高齢者の介護を必要とする一歩手前の状態のことで、厚生労働省は介護予防につなげるためにも、この状態からの改善が重要だとしています。
このため厚生労働省は来年度から75歳以上の人を対象に、「フレイル」の状態になっているかどうかをチェックする健診を実施することになりました。
健診は市町村が主体となって行い、1日3食食べているかや、日付がわからない時があるかといった、生活習慣や認知機能などに関する15の項目を尋ね、症状の把握に努めるということです。加藤厚生労働大臣は「健診の体制と中身を充実させながら、フレイル対策にしっかり取り組みたい」と述べました。
2019/10/29
来年度以降 健診時 フレイル チェック 開始


いよいよ、健診ではチェックするようです。チェックしてから、どうするか❓
そこからが重要。

”時事通信”より。
健診通じ「フレイル」対策を強化=高齢者の介護予防-加藤厚労相、加藤勝信厚生労働相は29日の閣議後記者会見で、高齢者の心身に衰えが生じる「フレイル」の状態に陥るのを防ぐため、健診でのチェックに取り組む方針を表明した。
介護予防につなげるのが目的。加藤氏は、高齢者特有の心身の状態を把握するために作成した質問票について、「来年度以降の健診での活用を後期高齢者医療広域連合や都道府県に要請した」と述べた。
2019/10/23
フレイル と 食事の内容


現状、クリニックで調べてきた限り、バランスの良い食事が摂れるているなら安心とは・・・❓。まず、食べていなければ、議論にもならないと言うレベルですね。

”インフォシークニュース”より。
バランスの良い食事は高齢者の心身の衰えを予防するのか「フレイル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。英語の「Frailty」が語源となっているそうですが直訳すると「虚弱」や「老衰」「脆弱」などを意味します。高齢者のフレイルといった場合、一般的には「加齢により心身が老い衰えた状態」のことを指します。バランスの良い食事は健康の維持に欠かせない生活習慣といえますが、食事バランスに配慮することで、フレイルを予防することができるのでしょうか。

日本疫学会誌2019年10月号に、食事バランスとフレイルの関連性を検討した研究論文が掲載されました。 この研究では、群馬県草津町、および埼玉県鳩山町に在住している、65歳以上の912人(平均75・6歳)が対象となりました。バランスの良い食事(主食、主菜、副菜を1日に2回以上食べる)の摂取頻度はアンケート調査の結果に基づき、「毎日」「週に4回、もしくは5回」「週に2回以下、もしくは3回」の3つのグループに分類されました。
年齢、性別、喫煙・飲酒習慣、糖尿病・高血圧の病歴などの因子について、統計的に補正して解析した結果、フレイル状態にある人は、バランスの良い食事を「毎日」摂取している人と比較して、「週に2回以下、もしくは3回」摂取している人で1・8倍、統計学的にも有意に多いという結果でした。 
もちろん、食事バランスに配慮することができるような人は、もともと心身ともに健康である可能性は高いので、本研究結果から、食事によってフレイルを予防できると結論することは難しいでしょう。 とはいえ、加齢に伴う心身の衰えを少しでも予防したいとお考えの方は、主食、主菜、副菜をバランス良く食べることを
意識してみるのもいいように思います。
2019/10/17
脱・多すぎる薬 加齢や認知症と誤解されることも


フレイル の原因にもなるポリファーマシー。薬には注意しましょう。

”日本経済新聞”より。
加齢や認知症と誤解されることも 薬の副作用の注意点 。脱・多すぎる薬何種類もの薬を併用する高齢者で物忘れが激しくなったり
ふらついたりといった悪影響が出る問題へ、医療関係者の取り組みは始まってきた。ただ高齢者本人や家族が薬の影響と気づかず、加齢の影響や認知症などと間違われることも少なくない。生活の中でどのような症状に注意したらよいのだろう。
「薬はなるべく5種類まで。飲み残しの多い人は見直したほうがよい」。高齢者の医療に詳しい東京大学の秋下雅弘教授は注意を促す。高齢者が多くの種類の薬を飲むことで起きやすい副作用は幅広い。例えば血圧を下げる降圧剤や睡眠薬を飲んでいる高齢者では、
ふらついたり転倒したりといったことが起きやすくなる。東京都内の診療所に通う高齢者を対象に薬の数と転倒の関係を調べた研究では、5~6種類の薬を服用する患者の約4割が転倒。4種類以下の患者が転倒した割合は2割以下で、5種類を超えると急に転倒する割合が高くなっていた。「血圧が上がると脳梗塞のリスクは上がるが、下げすぎるとふらつく。この1年を快適に過ごせるかが大切」(秋下教授)ふらつきや転倒だけではない。
飲んでいる薬が6種類を超えると、6人に1人の割合で様々な副作用が起きるとする研究もある。
糖尿病の治療薬や降圧剤などを飲んでいる患者では、物忘れが激しくなったり記憶障害が起きたりしやすくなる。
心不全の薬などを使っていると、元気がなくなり抑うつ症状が起きる場合もある。薬の飲み過ぎで食欲不振や下痢になるといったことも起きる。これらの副作用は認知症と間違えられたり、単に年をとった影響と見逃されたりすることも少なくない。
こうした症状が続くなら薬の飲み過ぎを疑うことも必要だ。副作用が起きやすくなるのは、高齢になるにつれて薬の効き方が変わってくることも大きい。「体質も変わり、腎機能の低下で量が多いと効き過ぎる」と秋下教授は説明する。
持病が増えてくると以前と同じ薬を使い続けてよいか再検討が必要な場合もある。例えば高血圧の治療薬に「ベータ遮断薬」という種類がある。ところが、高齢になってから発症が増える肺の病気のひとつである、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療には、ベータ遮断薬と反対の働きをする治療薬が使われる。両方を同時に飲むと互いに効果を打ち消し合うので、COPDの治療を始めたら高血圧の治療薬を別の種類に変えなければならない。

心配なのは飲み合わせによる副作用だけではない。
薬の種類が増えると、薬を飲むタイミングを間違えたり、必要な薬を飲み忘れたりする心配も出てくる。
薬を飲むタイミングは食前や食後、就寝前など多様で、一日に何回飲むかも薬によって異なる。
「いろいろな医療機関からバラバラに薬を出されると、いつどの薬を飲んだら良いか混乱しがち。どの薬が優先かわからず、大事な薬を間引くことも起きる」と秋下教授は指摘する。種類を減らすだけでなく、薬の内容を見直して飲むタイミングを夕食後にまとめるなどの工夫も必要になってくる。薬の交通整理をして副作用をさけるには、お薬手帳にまとめて使っている薬を記録する方法もあるが、活用されているとは言いがたい。いつでも医療機関に見せられるよう「お薬手帳や検査データを診察券などとまとめて1つのケースに入れておくのもよい」(秋下教授)。ただ、どの薬を優先すべきかを、患者や家族が判断するのは危険だ。
「薬をやめるときは自己判断で決めずに、医師や薬剤師に必ず相談してほしい」と秋下教授は話している。


■ガイドラインの活用を

厚生労働省の社会医療診療行為別統計によると2017年に同一の保険薬局で調剤された薬の種類数は、75歳以上では7種類が24.5%、5~6種類が16.3%と合計で40%を超える。65~74歳でも7種類以上と5~6種類の合計で27.9%と3割近い。
多すぎる薬の使用は「ポリファーマシー」と呼ばれ、厚労省も指導指針をまとめるなどして対策を進めている。日本老年医学会は75歳以上の高齢者を対象に「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」で、特に慎重な投与を要する薬物のリストを掲載。そのなかには睡眠薬やうつ病の薬、脳梗塞や心筋梗塞の予防に使われる抗血栓薬、糖尿病治療薬など高齢者によく使われている治療薬も少なくない。家族と一緒に確認してみるのも手だ。
2019/10/10
シニアは メタボより フレイル対策を


幾つになっても痩せよう、痩せようと言う危険思想。なんとかしないといけませんね。

”神戸新聞”より。
シニアはメタボよりフレイル対策を 県が予防動画加齢とともに体力や気力が低下し介護が必要となる手前の状態「フレイル」について知ってもらおうと、兵庫県が早期発見や予防法をクイズ形式で学べる動画を作成し、県のインターネット放送局「ひょうごチャンネル」(http://hyogoch.jp/)で公開している。「シニアはメタボよりもフレイル対策を」と呼び掛けている。
「フレイル」は、日本老年医学会が「虚弱」を意味する英語「フレイルティー」を基に提唱した。
身体や認知機能の低下により要介護に至る前の状態を指す。健康寿命を延ばす観点から注目を集めている。
県は全国に先駆けて3月、市町が医師会や歯科医師会をはじめ関係団体や配食事業者などと連携し取り組む対策などを記した「予防・改善プログラム」を作成した。動画は全9本(1本当たり9分程度)。口腔ケアと食事のバランスに力点を置き、「高齢期に気を付けることは?」など選択式で四つの質問があり、1日の食事の量や唾液腺マッサージ、そしゃくトレーニングの方法などを学べる。DVDの貸し出しも可能で、県健康増進課は「公民館やサロンなどで活用してもらえれば」としている。
同課TEL078・362・3249
2019/09/16
年金を減らす 「在職老齢年金」制度の廃止・縮小を検討


運動して、筋肉量が素直に増えていただけるレベルならば、何も困りません。骨密度も、薬を飲んだり、注射したりで、増えてくれるなら・・・同様ですね。国策に先行・・・。

”読売新聞”より。
筋トレ シニア裏切らない…社保費抑制 政府後押し 健康寿命延伸 プラン作り60歳以上のシニア世代で筋力トレーニング(筋トレ)に取り組む動きが広がっている。健康で長く活躍する人が増えれば、社会保障制度の安定や地域社会の活性化にもつながることから、政府もシニアの健康作りを後押ししようとしている。
13日昼、東京都葛飾区の総合フィットネスクラブ「ティップネス」新小岩店は、多くのシニアでにぎわっていた。
無職の男性(76)は「持病の悪化防止に役立っている。他の人と世間話ができるのもうれしい」と話す。シニア手前の会社役員の男性(59)は休暇を利用して訪れた。「高齢になっても、元気に働き続けたい」と明るい表情を見せる。関東や関西を中心に55店舗を展開するティップネスでは、会員(8月末現在)のうち60歳以上が29%を占め、5年前から7ポイント増えた。
同社はシニア向けに、体への負荷を軽くしたプログラムを用意して、シニアの取り込みに力を入れている。
三菱総合研究所「生活者市場予測システム」の6月の調査によると、フィットネスクラブなどの運動施設を利用する人の割合は60歳代15%、70歳代18%、80歳代17%で、シニア世代は他の年代よりも高かった。

業界団体の日本フィットネス産業協会は「高齢者の健康増進は業界の使命であり、高齢者向けのプログラムを用意するのは必須だ」と強調する。シニアの利用は昼間の稼働率を高めるという経営上の利点もある。シニアのジム通いを促そうと、自民党の有志議員による社会保障改革の研究会は4月、フィットネスクラブなど健康増進施設の利用料を所得税の控除対象にする案を提言した。今月の内閣改造で党総務会長から入閣した加藤厚生労働相が研究会の顧問を務めていたことから、政府で検討される可能性もある。
政府も、健康寿命が延びれば医療費や介護費を抑制できるため、シニアの健康作りを支援する方針だ。
厚労省は5月、「健康寿命延伸プラン」をまとめ、2040年までに健康寿命を男女ともに16年比で3年以上延ばし、75歳以上とする目標を掲げた。具体策の一つとして、今年度中に運動施設の標準的なプログラムを作る方針を示した。
さらに、多くの高齢者が長く働き、保険料を支払うようになれば、個人の年金額の増加や年金制度の安定につながる。
厚労省は、一定の収入がある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金」制度の廃止・縮小など、就労意欲を引き出す改革を実現させる方向で検討している。
2019/09/16
65歳以上の割合は28・4% 世界最高‼️


世界一を達成。何が、“真の原動力”か❓もちろん、医療ではありませんよ。

”読売新聞”より。
70歳以上人口、2700万人突破…高齢者の割合は世界最高。総務省は16日の敬老の日に合わせ、65歳以上の高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表した。
今年は団塊の世代(1947~49年生まれ)が70歳以上となる年に当たり、70歳以上の人口は前年より98万人多い2715万人で、2700万人を突破した。総人口に占める割合は21・5%(前年比0・8ポイント増)となった。
65歳以上の人口は3588万人(同32万人増)で、過去最多となった。このうち男性は1560万人、女性は2028万人だった。総人口は26万人減っており、65歳以上の割合は28・4%(同0・3ポイント増)と過去最高だった。
この割合は世界201の国・地域の中で最も高い。80歳以上は前年比21万人増の1125万人(総人口の8・9%)、
90歳以上は前年比13万人増の231万人(同1・8%)だった。
一方、労働力調査によると、2018年の65歳以上の就業者は862万人(前年比55万人増)で、15年連続で過去最多を更新した。就業者全体に占める割合(12・9%)も過去最高となった。
2019/09/11
フレイル予防へ 市民養成 どこかと言うと・・・


富山県から届いたニュース。どんどんすべきです。 ところで、所沢って・・・。

”北日本新聞”より。
フレイル予防へ市民養成、高齢者の状態を定期確認、南砺市議会一般質問。南砺市は本年度から、加齢に伴って運動や認知機能が低下する状態「フレイル」の予防に取り組む市民を養成する。9日の市議会本会議で長井久美子氏の一般質問に田中幹夫市長が答えた。
フレイルは筋力の衰えや疲れやすさなど、心身に脆弱(ぜいじゃく)性が表れた状態。健常から要介護に移行するまでの中間段階とされ、フレイルの時点で適切に対応すれば、生活機能を維持・向上できると考えられている。
市の事業では東京大高齢社会総合研究機構のカリキュラムを用い、市民が高齢者の状態を定期的にチェックする。
指導に当たる理学療法士や作業療法士らを「フレイルトレーナー」、各地域でチェックに当たる市民を「フレイルサポーター」として養成する。第1回講座は10月ごろ開く。市長は「お年寄りだけでなく、サポーターも健康意識や地域貢献への気持ちが強まる」と期待を寄せた。
2019/08/23
フレイルとロコモ


理由が色々ありますが、ロコモは、あちらのブログでも、こちらのブログでも、ほとんど取り上げてきませんでした。この記事で充分でしょう。

”女性自身”より。
転倒リスクは認知症リスクに“足の衰え”について知ろう。昨年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は87.26歳、健康寿命は74.79歳だった。「健康寿命」とは、「健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく自立した生活ができる期間」のことを指す。すなわち、女性は人生の最後の約12年半、介護など周囲のサポートを必要としていることになる。
この平均寿命と健康寿命の差が生まれる原因の多くは「運動器の障害」によるものだと、国立長寿医療研究センター・ロコモフレイルセンター長でロコモフレイル外来の松井康素先生は指摘する。
「運動器とは、筋肉、骨、関節などを指しますが、これらの機能が衰えた結果、自由に動けなくなり、歩行や日常動作に支障をきたすことを『運動器の障害』、またはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼んでいます」日常生活で支援が必要になった原因(’16年・国民生活基礎調査より)を見ると、関節疾患が20%、骨折・転倒が11.4%、合計31.4%で、ロコモがトップを占めるのだ。「高齢になると足腰が弱り、若いころのようには動き回れなくなりますが、それは加齢のせいだけではありません。体が虚弱化していく予備期間のようなものがあるのですが、このときに運動量や栄養が不足すると、体のさまざまな機能が衰えてロコモがますます進行するのです」(松井先生・以下同)

中高齢期にロコモが進むと、日常生活における移動に必要な機能が徐々に低下し始め、体幹や筋肉の柔軟性も衰えてしまう。つまずいたときにこらえられずに転倒しやすくなり、足の付け根や手首などの骨折リスクが高まる。一度痛めると回復にも時間がかかる。
こうしてロコモが進むと「フレイル」と呼ばれる状態になる。フレイルは身体的な問題だけでなく、心の問題や社会生活の中での問題も含まれる。骨折が原因で、寝たきりや車いすの生活を余儀なくされると、外からの刺激を受ける機会も減少し、認知症のリスクも高めてしまうことになる。

次のチェックリストは、こうした衰えのサインを示す項目が並んでいる。
ひとつでも当てはまる項目がある人は、自分の日常生活を見直してみる必要がある。また、身体的フレイルのリスクは、男性に比べて女性のほうが高いという。更年期を過ぎた50代半ばあたりから筋力はどんどん落ちてしまうのだ。

片足立ちで靴下をはけない
つまずいたり、滑ったりすることが増えた
重い荷物を持って移動するのが困難だ
最近、食事の量が減っている
両手の親指と人さし指で作った輪にふくらはぎが収まる
BMIが20未満だ→BMI=体重〈kg〉÷(身長〈m〉×身長〈m〉)
ウオーキングなど、運動を週に1回以上していない
背中や腰が丸くなった
糖尿病である
乳製品や大豆製品をあまり食べない
喫煙の習慣がある
お酒を毎日2合以上飲む
以前に比べて歩く速度が遅くなってきた
階段を上るのに手すりが必要である
ひざや腰に痛みがある
靴底の外側が内側に比べて減りやすい
床の上で足をまっすぐに伸ばしたとき、ひざの裏が床につかない
昔、ひざや足首に捻挫などのけがをしたことがある

“健康長寿”をかなえるために特に大切なのが丈夫な足腰。
健脚を維持していくために、まずはいまの状態を客観的にチェックするところから始めよう。
2019/08/07
フレイルのチェックリスト


フレイルのチェックリストも多種多様ですが、一般的には以下がよく使われています。自分ではアチコチからイイトコ取りをして、自分流にアレンジしてきましたが。「フレイル外来」をメインとするウチでは、その後の管理に必要ですから、血液検査の特定の項目も含めて判断するようにしています。

"山陽新聞"より。
「フレイルチェック」利用を 岡山市 65歳以上対象に事業開始。岡山市は5日、加齢によって筋力や認知機能が低下する状態「フレイル」のチェック事業を市内の薬局や診療所などで始めた。健康寿命の延伸を狙いにおおむね65歳以上の市民を対象に調べ、運動や社会参加をアドバイスする。希望者は、市内47カ所で無料チェックを受けられる。
このうちこやま薬局大供店(北区大供)では、訪れた客が日常の活動や運動機能、栄養状態、物忘れなどを確認する25項目のチェックシートに記入。結果をもとに、薬剤師が腰痛対策のエクササイズや口を動かす体操の仕方を助言した。
 パート女性(71)=同市=は「今回は問題なかったが、健康な状態を保てるよう気を付けたい。専門職の方にアドバイスをもらえるのがいいですね」と話した。
チェックシートで8項目以上当てはまったフレイル該当者には、市内3カ所の市ふれあい介護予防センターへの訪問を促す。
個々の状態に応じて看護師、理学療法士らが運動機能を上げるための体操や地域のサロン活動などを紹介する。
フレイルは英語で「虚弱」を意味する。公民館の介護予防教室などに出向く「出張チェック」もある。市は、市医師会、市内歯科医師会連合会、市薬剤師会など医療関係5団体と連携。本年度は2500人の利用を目指しており、市地域包括ケア推進課は「自身の心身の状態を把握してもらうきっかけになれば。チェックできる場所は増やしていきたい」としている。
2019/08/01
「外出がおっくう」 「疲れた」 は寝たきりの一歩手前


厳しいどころか、異常な高温が続いていますが、こんなに暑い日にもかかわらず、熱中症ではない新患が多く受診され、驚きました。もう、早くも目立ちはじめたのは、エアコンによる疼痛性疾患の増悪。エアコン使用はこの異常な環境下では必須。使用しなければ生命の危機に直結しますから。如何に疼痛を悪化させずにエアコンを使用するか?当然、最低限の防寒対策をしながら、となります。また、忘れてはいけない「適度な運動」。症例ごとに異なりますが、以下の記事にある通り、この暑い夏の間、屋内でも筋力維持に努めるべきです。まだ、暑さは続きます。体調管理に気をつけて頑張ってください。

"夕刊フジ"より。
老親の「外出がおっくう」「疲れた」は寝たきりの一歩手前、老親が「疲れやすい」「買い物に行くのがおっくう」などと言いだしたら、「フレイル」を疑った方がいい。横浜市立大学付属市民総合医療センターリハビリテーション科准教授の若林秀隆医師に聞いた。「フレイル」とは、体の予備機能が低下して健康障害を起こしやすくなった状態で、介護が必要となる前の段階。
最も重要な要因となるのは、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している「サルコペニア」だ。
「身体的なフレイルは次の5項目でチェックできます。体重減少、筋力低下、歩行速度の低下、疲れやすさ、活動量の低下のうち1~2個該当すればプレフレイル、3個以上該当すればフレイルです」(若林医師=以下同)
筋力は測定しないと分からないが、体重ならすぐ分かる。歩行速度というのは秒速1メートルで、歩行者用信号を青信号の間に渡りきれないなら問題。活動量の低下は、外出や体を動かす機会の減少を指す。50代のAさんの両親はともに80代前半。父親は山歩きが趣味で活動的。一方、母親は自宅で絵画を教え、社交的な性格だが、「少し歩くと息が切れる」と言い、自宅すぐのスーパーにも車で向かう。今年、Aさんと両親で旅行したが、その時も「動くのがしんどい」という母親を気遣い、近くのリゾートホテルに泊まらざるを得なかった。若林医師によれば、Aさんの母親はプレフレイル、またはフレイルの可能性が高い。
「少なくとも、疲れやすさや活動量の低下が見られるのでプレフレイルには該当するでしょう。5項目でチェックすると、ある年齢以上で運動習慣がない人などは身体的なプレフレイルやフレイルに該当しやすい。私も講演会で冗談交じりに話すのですが、疲れやすく筋肉量が落ちていて、高齢者でなくてもプレフレイルだと思っています」

対策はしっかり食べてちょこちょこ体を動かす

身体的なフレイルであれば、主な原因は3つ。低栄養、冒頭で触れたサルコペニア(筋肉量減少と筋力・身体機能の低下)、服用している薬の副作用だ。薬に関しては主治医や薬剤師に相談して対処を決めなければならないが、低栄養とサルコペニア対策は今日からできる。まず低栄養だが、「きちんと食べている」と思っていても、栄養が偏っていれば低栄養が疑われる。
特に、高齢者は食が細くなっていたり、作るのが面倒だからと粗食になっていたりで、十分に栄養が取れていないケースが多い。
「BMIが30以上なら、どの年代でも減量が必要ですが、そうでなければ高齢者にとって“痩せ”は寝たきりなどを招きやすくなる。
BMIは18.5以上が普通体重。しかし、65歳以上はBMIが21.5~24.9、50~64歳はBMIが20~24.9が目標の体重です。65歳以上で21.5より低い、あるいは50~64歳で20より低いなら、エネルギーを積極的に取って体重増を目指した方がいい」BMIは「体重(キロ)÷<身長(メートル)×身長(メートル)>」。高齢者でも「太るのは嫌」と考える人がいるが、健康のためには、小太りがいい。そして、もうひとつのサルコペニア対策は、日常的に体を動かすこと。
若林医師は「病院で5階までなら階段を使う」「エレベーターに乗っている時などに爪先立ちなどの筋トレをする」といったちょこちょこした方法を取り入れている。
「膝が痛くて階段は無理なら、歩く時間を少し増やすだけでもいい。家の周りを1周歩くだけでもいいのです。あとは、椅子に座って膝を交互に伸ばす、太ももを交互に上げるなど。毎日やれば、全く違います」
老親に、いつまでも健康で人生を楽しんでもらうために。
2019/07/10
フレイルとがん患者の予後


梅雨も残り2週間ほどでしょうか、予想外の低温に外来では“久しぶりの再開”が増えています。
拙著でも、歩行速度と認知機能との関連は取り上げましたが、フレイルを知っていれば、『当たり前のこと』で済んでしまいます。以下の記事も同様でしょう。 しかし、この研究も 、血液のがん患者で調べた点が、 さすが、ハーバード大学でしょうね。
他の部位のがん患者だと、運動機能に影響する他の要因も絡んできますからね。 フレイルが抗がん剤の効果にも影響することが明らかになっていますが、 まだまだ、調べなければならないことが山ほどあります。

"あなたの健康百科"より。
歩く速さで高齢がん患者の予後を予測 近年、高齢者の寿命を予測する指標として歩く速さが着目されている。 米国 ハーバード大学 公衆衛生大学院のMichael A. Liu氏らは、高齢の血液がん患者を対象とした研究で、 歩行速度の低下は、寿命、予定外の入院、救急外来受診などの予測に有用である ことが分かったと、Blood (2019年6月5日オンライン版)で報告した。
高齢期の全身機能低下は寿命と関連  フレイルは、寿命や将来の身体機能を推定する指標として重視されており、 血液がん患者では、薬剤の効きやすさや副作用の発現頻度、死亡などと関連する ことが知られている。 米国臨床腫瘍学会(ASCO)や全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)は、 高齢がん患者の定期健診でフレイルの評価を行うよう推奨しており、 日常診療で適切かつ簡便に評価する方法が求められている。 歩行速度により適切かつ簡便に予後を予測  Liu氏らは、高齢血液がん患者の予後(寿命、身体機能、予定外の入院など)を予測する方法を検討。 フレイルを評価する指標として歩行速度や握力に着目し、 患者の予後に関わる指標(生存状況、予定外入院および救急外来受診の有無)との関連を解析した。
2015年2月1日~17年10月31日に米国の血液がん専門診療所を初めて受診した75歳以上(平均年齢79.7歳)の患者 448人を対象に、4mの距離を歩く速度と握力を測定し、最終来院日から少なくとも6カ月(平均13.8カ月)の生存状況を追跡した。314人については、国際基準(ECOG)に基づく日常生活の制限度や予定外の入院、救急外来受診の有無についても評価した。 その結果、全患者における平均歩行速度は0.73m/秒、平均握力は24.6kgであった。 追跡期間中に患者の24.6%が死亡し、予定外入院率は19.1%、救急外来受診率は16.8%であった。 これら3つの指標と歩行速度および握力との関係を解析したところ、歩行速度が0.1m/秒遅くなるごとに、 死亡率、予定外入院率、救急外来受診率はそれぞれ22%、33%、34%上昇した。 また、握力が5kg低下するごとに死亡率は24%上昇した。 一方、握力と予定外入院率および救急外来受診率との間に、相関は見られなかった。
歩行速度と死亡率、予定外入院率、救急外来受診率との関連は、患者の年齢やがんの悪性度、 血液がんの種類、日常生活の制限度にかかわらず 一貫して認められ、歩行速度は高齢血液がん患者の予後を予測する指標として有用 であることが示唆された。
この研究で採用された4m歩行テストは、ストップウオッチと平らな歩行コースがあれば簡単に実施でき、 1分程度で完了する。
そのため、 6分間歩行テスト(6分間直線コースを歩いて往復した距離を測定する) などの既存の歩行テストよりも患者への負荷が少ない。 今後、さらなる検討により 歩行速度が高齢血液がん患者の生命予後の予測法として確立され、ウエアラブルGPSシステムにより患者の歩行速度をモニターできるようになれば、より適切なタイミングで患者に最適な治療を施し、寿命の延長が望めるかもしれない。